縁 起
小樽別院は西本願寺の北海道開教の発祥地として、函館別院と相前後して開創されたものです。
天保4年(1833)の頃、但馬専福寺の住僧であった入真房大蟲師は、いち早く北海道に渡り、上磯郡の濁川で開教開拓の事業をはじめました。しかし、その努力も空しく、事業は中途にして師は惜しくも病没されたのであります。
安政3年(1856)青森県下北郡川内の願乗寺の堀川乗経師が、そのあとをついで再び開教開拓の事業の為江戸に赴き、当時北方開教の推進本部であった築地本願寺に現地の実情を報告するとともに、意見書などを添えて北海道開教の重要性と本願寺派寺院の創設の急務を強調されたのであります。
乗経師のこうした開教への情熱とその献身的な努力はついに報いられ、やがて寺社奉行より開拓布教の公許が得られることになりました。しかし当時北海道では、すでに存在する寺院のほかは新しい寺院を設立することが出来なかった為、許可寺院の掛所(別院)として布教を行い、函館を拠点にしてその教線の拡張をはかっていました。
公許の翌年すなわち安政5年(1858)の4月、北海道の開教に意をそそがれた第20世広如上人のときに、本山の指示を受けて小樽郡の新地町に一宇の坊舎が建立されました。
これがすなわち願乗寺で小樽における寺院の濫觴であり、小樽別院の起源でもあります。
その後願乗寺は、明治7年(1874)に現在地の若松町(旧開運町)に移り、同10年(1877)に「本願寺小樽別院」と公称するにいたりました。現在の本堂は明治44年(1911)に起工し、大正元年(1912)11月に竣工したものであり、間口15間、奥行17間で当時総工費4万980円で完成されたものです。
その後、平成15年(2003)3月より本堂・鐘楼堂の大修復工事が行われ、現在に至っております。
沿 革
- 安政4(1857)年5月
- 幕府より蝦夷地開教が認められる。
- 安政5(1858)年4月
- 小樽郡の新地町に本願寺派の寺院(願乗寺)が建立される。
- 明治7(1874)年
- 願乗寺が現在地の若松町(旧開運町)に移転。
十六日講結成。 - 明治10(1877)年
- 本願寺小樽別院と公称。
- 明治11(1878)年6月
- 小樽同行中へご消息下付。
- 明治12(1879)年
- 小樽別院札幌出張所が札幌別院となる。
- 明治20(1887)年8月
- 明如ご門主北海道ご巡教の際来院、御親教。
- 明治21(1888)年
- 色内説教所開設。
- 明治31(1898)年
- 島地黙雷氏直諭披露のため来院。
- 明治32(1899)年8月
- 蓮如上人四百回遠忌法要。
- 明治35(1902)年9月
- 誠信講へご消息下付。
- 明治38(1905)年10月
- 真宗小樽婦人会設立認可。
- 明治39(1906)年8月
- 真宗小樽婦人会発会式に鏡如ご門主・大谷籌子裏方来院(北海道・樺太ご巡教)。
- 明治40(1907)年9月
- 小樽実践女学校開校。
- 明治40(1907)年
- 十九日講結成。
- 明治44(1911)年5月
- 本堂起工式。
- 明治45(1912)年7月
- 九条武子仏教婦人会連合本部長来院、建設中の仮本堂を視察。
- 大正元(1912)年9月
- 小樽幼稚園設立認可。
- 大正元(1912)年10月
- 小樽幼稚園開園
- 大正元(1912)年11月
- 本堂竣工。
- 大正2(1913)年6月
- 小樽仏教青年会発足。
- 大正2(1913)年10月
- 仮遷座法要。
- 大正3(1914)年5月
- 十六日講へご消息下付。
- 大正3(1914)年9月
- 宗祖親鸞聖人六百五十回大遠忌。
- 大正4(1915)年5月
- 真宗小樽婦人会十周年祝賀会開催。
- 大正8(1919)年8月
- 別院の崇敬区域が小樽区・後志・留萌・宗谷支庁管内となる。
- 大正9(1920)年8月
- 大谷光照伯爵(後の勝如ご門主)北海道見学の際来院。
- 大正10(1921)年
- 若竹説教所開設。
- 大正11(1922)年8月
- 浄縁塔・南小樽駅員殉職忠魂碑建立。
- 大正12(1923)年7月
- 立教開宗七百年記念慶讃法要。
- 大正14(1925)年
- 仏教女子青年会創立。
彰心会(若竹説教所)、無量講(緑説教所)、滴水会(色内説教所)結成。 - 昭和2(1927)年3月
- 小樽実践高等女学校が小樽双葉高等女学校に校名変更。
- 昭和2(1927)年
- 樹心会・唯信講(奥沢説教所)結成。
- 昭和4(1929)年7月
- 大谷妊子裏方来院(小樽双葉高等女学校にて訓諭)。
- 昭和4(1929)年
- 緑説教所開設。
- 昭和5(1930)年10月
- 緑説教所入仏法要。
- 昭和5(1930)年
- 奥沢説教所開設。
- 昭和7(1932)年2月
- 仏教青年彰心会(若竹説教所)発足。
- 昭和13(1938)年7月
- 勝如ご門主北海道ご巡教の際来院。
- 昭和16(1941)年8月
- 小樽仏教婦人会大会、大谷妊子総裁ご臨席。
小樽幼稚園が小樽双葉高等女学校内から別院内に移転。 - 昭和16(1941)年10月
- 梵鐘献納報国法要。
- 昭和18(1943)年3月
- 門信徒仏具献納報国法要。
- 昭和20(1945)年6月
- 疎開のため色内総会所(説教所)建物解体。
- 昭和23(1948)年4月
- 小樽双葉高等女学校が小樽双葉女子学園高等学校に校名変更。
- 昭和24(1949)年7月
- 蓮如上人四百五十回遠忌法要。
- 昭和25(1950)年4月
- 仏教青年会発足。
- 昭和25(1950)年10年
- 梵鐘造立。
- 昭和27(1952)年7月
- 第一回仏教文化講座開催(小樽別院・量徳寺・浄暁寺の共催)。
- 昭和28(1953)年4月
- 若竹保育所開園。
- 昭和29(1954)年7月
- 第一回全道仏教青年大会開催(初めての音楽法要)。
- 昭和33(1958)年7月
- 小樽別院開基百年・別院公称八十年記念法要。
- 昭和35(1960)年4月
- アソカ会(若婦人会)発足。
- 昭和41(1966)年6月
- 新光保育園開園。
新光説教所開設(新光保育園内に開設)。
小樽別院無量寿閣(納骨堂)入仏慶讃法要・小樽幼稚園落成慶讃法要、勝如ご門主ご親修。 - 昭和42(1967)年6月
- 法友会(新光説教所)発足。
- 昭和42(1967)年7月
- 教区坊守婦人大会開催、大谷嬉子総裁ご臨席。
- 昭和43(1968)年4月
- 仏教壮年会設立。
- 昭和48(1973)年8月
- 親鸞聖人御誕生八百年・立教開宗七百五十年慶讃法要、勝如ご門主御親修。
- 昭和52(1977)年7月
- 別院公称百周年慶讃法要・親鸞聖人像建立、即如ご門主御親修。
- 昭和53(1978)年
- 新光説教所現在地に移転。
- 昭和56(1981)年6月
- 小樽別院だより創刊。
- 昭和56(1981)年7月
- 全道仏教保育大会開催。
総参拝日(六月)、百日参拝(七月)、日曜仏教講座(九月)始まる。 - 昭和57(1982)年9月
- 小樽別院新納骨堂落成入仏慶讃法要。
- 昭和57(1982)年12月
- 晨朝講発足。
- 昭和58(1983)年12月
- 小樽別院会館完成。
- 昭和60(1985)年7月
- 小樽別院開教百十周年慶讃法要、即如ご門主御親修。
小樽別院仏教婦人会創立八十周年記念大会開催、大谷嬉子名誉総裁ご臨席。 - 昭和61(1986)年5月
- テレホン法話が始まる。
- 平成7(1995)年9月
- 小樽別院仏教婦人会創立九十周年記念大会開催。
- 平成9(1997)年5月
- 蓮如上人五百回遠忌お待ち受け法要、小樽別院浄縁塔落成慶讃法要(小樽別院創立百二十周年)。
- 平成10(1998)年4月
- 小樽双葉女子高等学校が男女共学となり、双葉高等学校に校名変更。
- 平成10(1998)年8月
- 別院境内で盆踊り大会開催。
- 平成15(2003)年3月
- 御本尊御遷仏法要(本堂修復工事開始)。
- 平成16(2004)年4月
- 双葉中学校開校。
- 平成16(2004)年9月
- 仏教がやがや会(若婦人会)発足。
- 平成17(2005)年12月
- 緑説教所御遷仏法要(翌年三月建物除却)。
- 平成18(2006)年10月
- 本願寺小樽別院親鸞聖人七百五十回大遠忌法要・本堂修復落成慶讃法要、即如ご門主御親修。
- 平成19(2007)年10月
- 小樽別院仏教婦人会創立百周年記念式典、大谷範子総裁ご臨席。
小樽幼稚園創立百周年記念式典、大谷範子総裁ご臨席。
双葉高等学校創立百周年記念式典、大谷範子裏方ご臨席。 - 平成25(2013)年6月
- 新光保育園新園舎完成
- 平成28(2016)年6月
- 第25第専如ご門主本願寺小樽別院ご巡拝。
- 平成28(2016)年11月
- 伝灯奉告法要参拝。
- 平成29(2017)年5月
- 伝灯奉告法要参拝。